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スペイン・アンダルシアの田舎暮らし

オリーブ畑に囲まれたプチ・ペンション経営 - スローライフ紹介

子供と一緒に体験するスペイン教育制度 ー 頭が痛い

かい3歳
カイ2歳2ヶ月

2年連続 読書コンクール小学生部門金賞受賞
アンダルシア、コルドバ県、読書コンクール小学生部門金賞



息子は小さいころから文字に興味を持ち、本、雑誌、新聞と文字があるものを探し回っては手にとってじーっと見ていました。

息子は3歳弱にInfantil(小学校入学前の保育園に相当する)に入学した初日の休み時間に、教室で見つけた新聞を手に取り、小さな校庭(というより狭い広場)の近くのところに座ってじーっと中身を見ていたそうです。数人のお友達が彼の名前を大きな声で叫んでいたので、臨時で来ていた男性の先生が何かと思って様子を見に行った際、かいの行動に気がつき、こんな子は珍しい、と驚いてぱちりと写真を撮ってくださいました。

本というものに小さいころから興味を示し、自分で読みたいという気持ちが強かったのか、文字を覚えるのが早く本も早くから読めるようになりました。母国語にあたるスペイン語から覚え始めましたが、英語の読みを覚えるのも早かったです。日本語はローマ字と違いやはり難しいのか、あるいは一番使用する量が少ないからか、毎日少しずつやっても、ひらがなやカタカナをなかなかマスターしませんでした。

数字を学ぶのも早く、小学校に入学する前には確実に一桁の足し算や引き算はマスターしていました。日本の環境では”普通”かと思われますが、スペインでは子供の教育、特に学習面に対しては、”勉強は学校で学ぶもの”という親のスタンスがノルマで、でも逆に、あまり子供の学習能力が進んでいると学校の先生方が、”あまりうちでやりすぎるな”、とか、”あまり勉強を進めないでほしい”、と文句を言われました。

特に読み書きをマスターするのが他の子供たちより早かった息子は、自分一人であのぶあつい本を読みたい、学校の教科書もどんどん読みたい、という好奇心旺盛なため、読書のレベルがどんどん進行し、私たちはよく先生方に、”うちでやりすぎるから、学校でつまらなくなってしまってじっとしていられない”とお説教をされましたー。では、なぜ進んでいる子供の能力に対応してあげられないのか、と常に不満があります。


小学校教師の指導方法は?

スペインの義務教育は全体的に見ると日本より大らかで、遅刻してくる生徒も多いのですが先生も同じで、気づかぬうちに授業が始まっていることが頻繁にあります。生徒の能力・適性に合わせて、個々の持つ能力の芽を伸ばすことに指導の重点が置かれいると思っていましたが、これは私の誤解でした。教師の教え方がロボット形式で、スペイン国内場所、学校のサイズなど無関係で、どこのどの学校に行ってもまったく同じ教育形式・内容です。教え方が強引で、個人にあった物事の覚え方や学び方をあまり重視しないと考えます。個性のある先生はいないようです。ガウディーやダリはどういう教師に、どういう教育を受けたのか大変興味があります。

九九の覚え方を例にします。息子は日本語で覚えました。日本語だと、に いち が に、と発音が短いからか覚えやすく、すぐ確実に覚えました。でも学校の先生は、スペイン語でやりなさーい、ウノ ポル ドス ソン ドス (1x2=2)と言われました。

繰り下げの引き算の教え方も同じでした。息子は、10の段から1を借りてきてやる”減加法”が理解できていました。でも先生はそのやり方だと数が5桁になったときにわかりにくくなるから、やり方を変更しなさい、と指摘。その先生の教え方なのか、そういう性格の先生なのか理解できず、ほかの都市に住んでいる友人にも聞いてみましたが、同じような状況でした。

日本とスペインの小学校の先生の一番の違いが反映しているのは、先生が生徒の宿題やテストを採点したときの評価方法。日本だと、”次はもっとがんばりましょう”、とか、”がんばったけれど、次回はもっときれいに書きましょう”、と先生が優しく指摘、注意すると思います。ここができなかったから、”これを復習しましょうね”、などと指導してくれるのも普通でしょう。花丸をつけてくれたり、スタンプやシールを張ってくれたり。スペインでは、先生が赤ペンで、Mal(悪い)とノートに書きます。字が汚いと、Muy Mal(非常に悪い)、同じ問題をもう一度きれいにやり直ししてノートに書かなければいけません。ほめる教育、はないのでしょうか、ただ、お国柄で物事をはっきり言うからなのでしょうか。

すべての教科は1年間で12 ~ 15 トピックあります。そして各トピックは約3~4つの項目に分けられています。つまり、1学期に3 ~ 4トピックを学ばないと教科書が1年で終了しない、という計算になります。内容を良く見ると、簡単なトピックもあり、難しいものもあるので、先生の経験と判断で指導する時間を適切に調節するのかと考えていたら、そうではありせんでした。各トピックが終わるとテストがあります。きちんと理解できていない子供が明らかに存在するのにも限らず、時間オーバーだから次のトピックに進行。指導法がロボット形式、というのはこのことです。
テストが悪くても、復習させたりするのではなく、親は説教されます。”それはあくまで本人と家庭の問題であって、学校ではこういう子供どうするのかの検討は一切しない。つまり、本人がしっかり勉強し、及第点を取ればいい”。

私が息子の学校教育を見守っていて一番つらいことは、子供たちは教科書の練習問題をノートに書き写してから問題を解くことです。タイトルやタイトル番号は赤のボールペンで、問題は青のボールペンで、答えは鉛筆で、と細かく決まっています。国語などの練習問題は、文章が長いときもあります。たった3つの練習問題をやるのに、必要以上に時間がかかるので、時間がもったいないなーと良く感じます。変わりに教科書のトピックや項目名や番号を記入し、何ページ、練習問題の番号を記入したら、わかりやすいし時間の無駄がない、と思うのですが。
先生によると、①宿題を採点するときにわかりやすい、②文字やプレゼンテーションをきれいに書く練習になる、③復習するときに役立つ、④中学校に入るともっと書くことが増えるから、これに向けて準備をさせる、というのが理由でした。

もうひとつは、考えさせる教育を指導しない、ことです。日本だと、私はこういう理由でこのやり方がいいと思います、と算数でも話し合いをしたりしますよね。スペインは、”先生がこう言ったから私はこの方法でやる”、だから、文章問題になるとコンセプトを理解していないから何を求められているのか理解できない子供がたくさんいます。

国語も文法の学習ばかりして、詩や感想文を書いてみんなで話し合うという機会は特別な行事がない限りありません。”時間がない”と先生方は言います。

落第制度

スペイン教育制度で一番ショックな事情は、落第制度です。通知表はすべてテストの点数だけで評価されるのではありません。学校での態度や宿題をきちんとやっているかなども評価されます。上記に少し書きましたが、子供の成績が悪いのは学校の責任ではない為、落第しそうな子供の担任の先生は、Pedagogía(日本の塾みたいなの先生、家庭教師みたいな教育者)をつけなさいとアドバイスします。それでも成績が上がらず、テストも落第点場ばかりとっていると、その科目をもう一度やり直し、またもっと重大なケースは、留年になります。

教育水準がアンダルシアと比較して高いと考えられるマドリッドなどの大都市でも、公立学校では小・中学校でも平均して1クラス25名の中に3~5名留年する子供が毎年います。息子の小学校は田舎の小さな分校で、全生徒数18名のうち、1名が2年生で、3名が4年生で留年しています。これは恐ろしい現状です。スペイン政府は、”それはあくまで本人と家庭の問題であって、学校ではこういう子供どうするのかの検討は一切しない。つまり、本人がしっかり勉強し、及第点を取ればいい”、というスタンスを見直す必要があるはずです。教師のレベル強化、指導方法や教科書内容を開発するなど、方法はいくらでもあるのではないでしょうか。

頭の痛いスペイン教育制度の経験、特に不満な点ばかり今回取り上げましたが、もちろん日本の教育制度が見習わなくてはならない面もたくさんあります。例えば、スペインではいじめ問題が増えているとはいえ、日本のような悪質ないじめは存在しません。これはきっとカトリックの国であるので、宗教教育が教育課程に位置付けられているため(義務では無い)、神様をよりどころとした社会であるから、弱いものをいためるような卑劣な行為は神が許さない、というスタンスがひとつ考えられます。

また、小さい子供が怪我をして泣いたり、いやなことが起きて困っている時など、先生が子供をぎゅっと抱きしめ慰めてあげること。イギリスでは、何があっても先生が子供を触る、ということが禁止になっていて、どんなつらそうにしている生徒がいても、抱きしめて慰めることは教師がしてはいけない行動だそうです。学校側が必要以上に緊張していて、親たちに訴えられたりするのを恐れているからだと思われます。

スペインの子供たちは元気満々です。好き嫌いと物事をはっきり言いますので、子供同士大喧嘩してもその後はみなけろっとしています。息子の将来のためにも、個々の違いや周りの人や状況を尊重し合った教育制度をこれから期待しています。
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テーマ:小学生の子育て♪ - ジャンル:育児

プロフィール

村串マイテ

Author:村串マイテ
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私、海外永住暦25年。人生の半分以上を日本国外で過ごす、まさしく浦島花子。日本からイギリスへ、イギリスからスペインへ。それもなんでまたこんな田舎のアンダルシアでプチ・ペンションなんか経営しているのでしょう。そうなんです、私はストレス、プレッシャーの多いロンドン金融業界から足を洗い、プロのシェフの主人と二人で一緒に情熱を持ってできる新しい道を切り開こうという夢が種となってふくらんだのです。
畑を自分たちの手で肥やして大事に大事に無機農薬・オーガニック方法で育てたトマトは真っ赤で丸々。ピーマンもナスも少しへんてこな見かけですが、味がとても濃い。5歳の息子もおなかがすくと畑へ行って、赤々したチェリートマトをもぎってその場でせっせと食べています。
スローライフって体にも心にもいいですね。おかしな日常生活のエッセイ、スペイン料理のレシピー、のんびり子育ての話、日本・スペイン文化の比較など豊富な課題を掲載させていただこうと思います。是非私のブログを読んで下さい。

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